突き指による痛みが劇的改善!草津市のりゅう鍼灸、整体院へ
症例報告
サッカー・ゴールキーパーの突き指に対する施術
池田龍一(りゅう鍼灸院)
【患者情報】
• 10代男性
• スポーツ歴:サッカー(ゴールキーパー)
【現病歴】
サッカーの練習中、相手選手の脚と接触し、右手小指を負傷。
整形外科を受診し、骨折はなく突き指と診断される。
湿布と安静を指示されるが、痛みが強く、握る動作が困難なため、当院を受診。
【臨床所見】
• 右小指を握る際に疼痛のため最後まで握り込めない
• 第五中手指節(MP)関節に圧痛・運動痛があり、力が入らない
• 小指に物が触れると激痛が走る
【施術内容】
使用鍼
• 1番鍼(長さ1寸3分)
施術部位と選択理由
① 前腕部(尺側手根伸筋、尺側手根屈筋、指伸筋)
→ 小指の屈伸運動に関与し、過緊張による可動制限が推測されるため
② 手背(背側骨間筋)
→ 指の細かな動きを担い、MP関節の運動に重要
③ 腋窩(広背筋、大円筋)
→ 上肢の血流に関与し、腕全体の筋緊張を軽減する目的
【施術後の経過】
• 施術直後から疼痛が軽減し、小指を握ることが可能になる
• 翌日には患部の腫脹がさらに軽減し、握力の回復を実感
【考察】
突き指は、指への急激な衝撃により骨・関節・靭帯・腱・皮膚などの軟部組織が損傷することで生じる。一般的にはアイシングや固定による炎症管理が優先されるが、周囲筋の過緊張が痛みや可動域制限を引き起こすケースも多い。
本症例では、患部を直接触れずに関連する筋群の緊張を緩和し、血流改善と筋出力の回復を促したことで、握力と可動域が改善したと考えられる。
また、小指の動きには前腕の筋群だけでなく、手背の筋や肩・背部の筋も関与するため、局所施術にとどまらず、広範囲にアプローチしたことが効果につながった可能性がある。
【今後の課題】
• 炎症が強い急性期に対するアプローチの適応範囲の検討
• 打撲や骨折後の筋緊張改善に対する有効性の検討
突き指を含む外傷後の機能回復において、鍼灸および光線療法の役割をさらに明確にするために、より多くの症例を蓄積し、検討を重ねていく必要があると考える。